News

【わ行】


  • 割引率(Discount Rate

ファイナンスの世界でもよく使われることばですが、移転価格の分野では主にDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法によって無形資産の価値を算定する際の計算ファクターとして、割引率に言及する場合が多いです。

【ら行】


  • ローカルファイル(Local File

措置法第 66 条の4第6項に規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(同条第7項の規定の適用があるものを除き、電磁的記録を含みます。)をいいます。

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)より)

【や行】


  • 有償性(Onerousness

ある活動が役務提供として対価の授受が必要となるものかどうかを判断する基準として、かつて使われていた言葉です。役務提供に関する基本的な考え方は大きく変わっていませんが、2020年現在、事務運営指針3-10では、「経済的又は商業的価値を有するものかどうか」によって活動が役務提供に該当するかどうかを判断することになっています。

【ま行】


  • 無形資産(Intangible Assets

文字通り、形のない資産のことを言います。

移転価格の分野において、無形資産は特許権、実用新案権、商標権といった法的な権利だけではなく、ノウハウや顧客ベースなどを含む幅広い概念になります。つかみどころがないため、移転価格税制に基づく巨額課税の裏舞台では、無形資産の解釈がしばしば問題になっています。

そのような状況を受けて、令和元年の税制改正にて無形資産の定義の明確化が図られましたが、どこまで行っても解釈の余地を残すのが無形資産ですので、特に収益性が高い事業において、関連者間の所得配分を考える際には無形資産の解釈等について注意する必要があります。

ちなみに、法令上の定義をかいつまんで言うと、有形資産及び金融資産(現金、預貯金、売掛金、貸付金、有価証券、デリバティブ取引に係る権利等)以外の資産で、独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って譲渡・貸付け等が行われるとした場合に対価の額が支払われるべきもの、とされています。

【は行】


  • 補償調整 (Compensating Adjustment)

補償調整とは、事前確認を締結している場合において、確認対象期間中の確認対象取引に係る実績値が確認内容に適合しない(例えば、合意したレンジに収まらない)ことが判明したときに、納税者が自ら行う取引価格の調整のことをいいます。

具体的には、補償調整の発生を認識したときに確認法人が申告調整又は修正申告(もしくは更正の請求)を行うことによって、税務上、事前確認内容に則った取引価格で取引を行った場合に実現したであろう所得に対して課税を受けることになります。

【な行】


  • 内部比較対象取引(Internal Comparable Transaction

比較対象取引のうち外部比較対象取引以外の取引をいいます。

(「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」より)

【か行】


  • 外部比較対象取引(External Comparable Transaction

比較対象取引のうち法人及び国外関連者と特殊の関係(措置法第 66条の 41 項に規定する特殊の関係をいう。以下同じ。)にない者同士による取引をいいます。

(「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」より)

  • 企業グループ (Enterprise Groups

企業集団のうち、その企業集団の連結財務諸表(一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ってその企業集団の財産及び損益の状況を連結して記載した計算書類をいいます。)が作成されるものとして措置法施 行令第 39 条の 12 の4第2項で定めるものをいいます。

独立価格比準法(CUP)、再販売価格基準法(RP)及び原価基準法(CP)の三つの移転価格算定手法を総称して基本三法といいます。

  • 国別報告事項(Country-by-Country Report/CbCR

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人がその特定多国籍企業グループの構成会社等の事業が行われる国又は地域ごとの収入金額、税引前当期利益の額、納付税額等の情報として措置法施行規則第22条の10の4第1項で定める事項を所 轄税務署長に提供するものをいいます。

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)より)

企業グループ内で行われる役務提供のことで、事務運営指針3-103-11で特に規定されている取引のことをいいます。

CP法は、粗利率を基準とする移転価格算定方法のうち、原価が移転価格の影響を受けていない場合に通常用いられる方法です。

例えば、関連者向けに製品を製造したり、役務を提供したりしている場合に適用されます。

  • 構成会社等(Constituent Entities

企業グループの連結財務諸表にその財産及び損益の状況が連結して記載 される会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国における これらに相当するものを含みます。)をいいます。)その他の措置法施行令第 39 条の 12 の4第4項で定める会社等をいいます。

  • (最終親会社等届出事項でいう)居住地国(Location

最終親会社等届出事項でいう居住地国は、次に掲げる会社等の区分に応じそれぞれ次に定める国又は地域をいいます。

外国の法令において、当該外国に本店若しくは主たる事務所又はその事業が管理され、かつ、支配されている場所を有することその他当該外国にこれらに類する場所を有することにより、法人税に相当する税を課されるものとされている会社等(③の会社等を除きます。) :当該外国

外国に本店又は主たる事務所を有する会社等(①の会社等を除きます。): 当該外国

国内に本店又は主たる事務所を有する会社等:日本

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)を一部調整)

  • 子会社方式(Local Filing

特定多国籍企業グループの最終親会社等(代理親会社等を指定した場合には、代理親会社等)の居住地国の税務当局が国別報告事項に相当する情報の提供を日本に対して行うことができないと認められる場合として、措置法施行令第 39 条の 12 の4第1項で定める場合に該当するときに、その特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人が所轄税務署長に国別報告事項を提供する方式をいいます。

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)より)

【か行】


  • 外部比較対象取引(External Comparable Transaction

比較対象取引のうち法人及び国外関連者と特殊の関係(措置法第 66条の 41 項に規定する特殊の関係をいう。以下同じ。)にない者同士による取引をいいます。

(「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」より)

  • 企業グループ (Enterprise Groups

企業集団のうち、その企業集団の連結財務諸表(一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ってその企業集団の財産及び損益の状況を連結して記載した計算書類をいいます。)が作成されるものとして措置法施 行令第 39 条の 12 の4第2項で定めるものをいいます。

独立価格比準法(CUP)、再販売価格基準法(RP)及び原価基準法(CP)の三つの移転価格算定手法を総称して基本三法といいます。

  • 国別報告事項(Country-by-Country Report/CbCR

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人がその特定多国籍企業グループの構成会社等の事業が行われる国又は地域ごとの収入金額、税引前当期利益の額、納付税額等の情報として措置法施行規則第22条の10の4第1項で定める事項を所 轄税務署長に提供するものをいいます。

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)より)

企業グループ内で行われる役務提供のことで、事務運営指針3-103-11で特に規定されている取引のことをいいます。

CP法は、粗利率を基準とする移転価格算定方法のうち、原価が移転価格の影響を受けていない場合に通常用いられる方法です。

例えば、関連者向けに製品を製造したり、役務を提供したりしている場合に適用されます。

  • 構成会社等(Constituent Entities

企業グループの連結財務諸表にその財産及び損益の状況が連結して記載 される会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国における これらに相当するものを含みます。)をいいます。)その他の措置法施行令第 39 条の 12 の4第4項で定める会社等をいいます。

  • (最終親会社等届出事項でいう)居住地国(Location

最終親会社等届出事項でいう居住地国は、次に掲げる会社等の区分に応じそれぞれ次に定める国又は地域をいいます。

外国の法令において、当該外国に本店若しくは主たる事務所又はその事業が管理され、かつ、支配されている場所を有することその他当該外国にこれらに類する場所を有することにより、法人税に相当する税を課されるものとされている会社等(③の会社等を除きます。) :当該外国

外国に本店又は主たる事務所を有する会社等(①の会社等を除きます。): 当該外国

国内に本店又は主たる事務所を有する会社等:日本

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)を一部調整)

  • 子会社方式(Local Filing

特定多国籍企業グループの最終親会社等(代理親会社等を指定した場合には、代理親会社等)の居住地国の税務当局が国別報告事項に相当する情報の提供を日本に対して行うことができないと認められる場合として、措置法施行令第 39 条の 12 の4第1項で定める場合に該当するときに、その特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人が所轄税務署長に国別報告事項を提供する方式をいいます。

(「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)より)

【あ行】


企業グループ内の取引価格のことです。

たとえば、日本の自動車メーカーが米国の販売子会社を通じて自動車を販売する際、日本から販売子会社への輸出(販売)価格が移転価格になります。

日本では基本的に国を跨いだ企業グループ内取引における取引価格のことを指し、この移転価格の設定次第で各国で支払う税金が大きく変化し、企業経営に大きな影響を与えることになりかねないことから、移転価格税制という税制の対象となっています。

企業活動のグローバル化に伴い、国外関連者との取引を通じた所得の海外移転に対処するため、日本では昭和61年度税制改正で導入された税制(租税特別措置法第66条の4「国外関連者との取引に係る課税の特例」)を言います。

導入以降、幾度もの改正を経て、OECDなどと足並みを揃えた制度になっています。

  • 移転価格文書(Transfer Pricing Documentation

さまざまな定義が考えられます。

例えば、「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)では事務運営指針3-5に定める移転価格文書を便宜上「移転価格文書」と定義しています。ここでいう移転価格文書はざっくり言えば、ローカルファイルやそれに付随する文書、ないしそれらに準ずる資料のことです。

一方、実務における会話の中などでは、BEPSプロジェクトの勧告を受けて整備された文書化制度において、連結総収入金額が1,000億円以上の大手の多国籍企業グループ(特定多国籍企業グループ)が作成する文書を指して「移転価格文書」と言ったりもします。ここでいう移転価格文書は、主にBEPSプロジェクトで勧告された「国別報告事項(いわゆるCbCR)」、「事業概況報告事項(いわゆるマスターファイル)」、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(いわゆるローカルファイル)」の3種類の文書を指す用語で、ここに日本が独自に作成を求める「最終親会社等届出事項」を含めたり、含めなかったりします。

【あ行】


企業グループ内の取引価格のことです。

たとえば、日本の自動車メーカーが米国の販売子会社を通じて自動車を販売する際、日本から販売子会社への輸出(販売)価格が移転価格になります。

日本では基本的に国を跨いだ企業グループ内取引における取引価格のことを指し、この移転価格の設定次第で各国で支払う税金が大きく変化し、企業経営に大きな影響を与えることになりかねないことから、移転価格税制という税制の対象となっています。

企業活動のグローバル化に伴い、国外関連者との取引を通じた所得の海外移転に対処するため、日本では昭和61年度税制改正で導入された税制(租税特別措置法第66条の4「国外関連者との取引に係る課税の特例」)を言います。

導入以降、幾度もの改正を経て、OECDなどと足並みを揃えた制度になっています。

  • 移転価格文書(Transfer Pricing Documentation

さまざまな定義が考えられます。

例えば、「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)では事務運営指針3-5に定める移転価格文書を便宜上「移転価格文書」と定義しています。ここでいう移転価格文書はざっくり言えば、ローカルファイルやそれに付随する文書、ないしそれらに準ずる資料のことです。

一方、実務における会話の中などでは、BEPSプロジェクトの勧告を受けて整備された文書化制度において、連結総収入金額が1,000億円以上の大手の多国籍企業グループ(特定多国籍企業グループ)が作成する文書を指して「移転価格文書」と言ったりもします。ここでいう移転価格文書は、主にBEPSプロジェクトで勧告された「国別報告事項(いわゆるCbCR)」、「事業概況報告事項(いわゆるマスターファイル)」、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(いわゆるローカルファイル)」の3種類の文書を指す用語で、ここに日本が独自に作成を求める「最終親会社等届出事項」を含めたり、含めなかったりします。