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米国がAPA・MAP事案における所得調整の方針を変更

米国当局(IRS)の事前確認・相互協議プログラム(APMA)が、いわゆる”テレスコーピング”を制限する方針を公表しました。

“テレスコーピング”とは、事前確認(APA)や相互協議(MAP)における協議結果を受けて所得を調整する際に、事務手続きの簡便化等を目的として調整対象年度とは異なる課税年度に当該調整額を反映することを言います。

米国では2017年に大幅な法人税率の引き下げを行っていますので、実際の調整をこの改正の前後いずれのタイミングで行うかによって、納税者の追加納税額や還付額に影響がでてきます。そのため、上記の方針変更に至りました。

具体的な変更内容は以下の3点です。

  • 納税者は原則IRSが指定する年度の修正申告を実施
  • 2017年12月31日以前に開始する複数事業年度が事案の対象となっている場合、納税者はその最終年度に必要な調整を一括して行うことをリクエストできる
  • 課税所得の調整額が1,000万ドル以下の場合には、IRSの裁量で太陽機関の最終年度又はそれ以降の課税年度に調整を行うことが認められる。なお、IRSはこの取り扱いを認めるかどうかの決定に当たり、税額得ほ影響や事務負担等を総合的に考慮する。

今回の変更はリーズナブルな変更のように思います。IRSはこのように状況に応じて指針を変えるので、やはり最新の指針を把握し、タイムリーに対処しておくことが重要であると言えます。